ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

一泊二日の屋久島の旅 終章 A bientôt !

ガイドさんが「屋久島に来るのは周りの環境にもよるでしょうね」と仰っていた。確かに周りに屋久島に行った人がいないと屋久島の感想を聞くことはない。私も外国人の患者さんと海外在住の日本人の患者さんから屋久島の話を聞いてから行きたいと思うようになった。屋久島に行った事がある人達が屋久島の素晴らしさを語っているのを目の当たりにする。一番の宣伝。表情に嘘がない。

 

東京から行く場合は直行便がないので、鹿児島まで行って高速船かフェリーか飛行機。飛行機が一番早い。それでも少し遠いと思っていた。今回行ってみたら、あまり遠いと思わなかった。フランスに行く時は12時間半のフライト。でも12時間半が長いと思ったことがない。好きなところに行くのに距離は関係ない。

 

 

屋久島を楽しめるのはこんな人

  • 山登り、トレッキングが好き
  • 自然に囲まれた美しい場所に行きたい
  • ジブリ映画(特に「もののけ姫」)をインスピレーションさせてくれる世界を見たい

屋久島はトレッキング以外にも夏にはカヌーや川遊びができる。ウミガメの産卵シーズンには産卵の観察会もある。自然の色んな楽しみ方ができる場所。屋久島は日本国内最大のウミガメの産卵地。(去年は新型コロナ感染拡大防止で観察会は中止になったので今年もどうなるかは分からない。)屋久島は常緑広葉樹が多いので冬でも緑々している。一年中楽しめます。私は日光が苦手なので敢えて寒い時期を狙ったぐらい。2月に行きましたが、思っていたよりもずっと暖かく、一日目も二日目も予定より一枚脱いで行動しました。

 

今後行く時の注意

  • 歩くのが苦手、足腰が弱い方は注意(体力が必要なトレッキングコースは年齢制限を設けているガイドさんもいる)
  • コンビニはない
  • 長いコースを選択したい場合はアップダウンのトレーニングをしておくと良いかも
  • 雨が多い

屋久島は自然が好きな人にとっては最高ですが、トレッキングでは道は平坦ではありません。雨が降ると滑りやすいです。白谷雲水峡の奉行杉コースはアップダウンがあるので、都会の階段の上り下り以上です。私は駅では必ず階段を使い、7階の職場や9階の自宅でもたまに階段を使っていましたが、トレッキングのために普段からもっと足腰強化のトレーニングをしておこうと思いました。少しは筋トレをしているので助かりましたが。

 

来た道を引き返すとしても自分で歩かなければいけないので、体調は万全にして臨んでください。

 

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雨が多い島なので、雨が降っていないと思っていても急に勢いが強くなったりします。トレッキングをする場合はレインスーツは必須。一日目は雨に降られませんでしたが、二日目は最初からレインスーツを着て行動しました。後半の折り返し地点からはザックカバーも付けないといけないほど雨が降っていました。屋久島らしい天気の中でトレッキングを終えました。山用品は屋久島で借りられるので、必要な装備はしてください。去年は屋久島の山で2人亡くなっているそうです。遭難する人もいます。

 

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「こだま」を用意してくれていたガイドさん

 

私は持病があって、屋久島に行く前にその関係で調子が悪く、行かない方がいいのかとも思った。でも、2020年にコロナが始まったばかりの頃にも九州旅行を一度キャンセルした経験がある。あの時は飛行機の欠航や「旅行に行ってはいけない空気」が漂っていた。今回はコロナ禍でまん延防止が出ているから人は少ないだろうとは思っていたけど、貸切状態の場所が多かったです。

 

行く前は体調が良くなかったので不安で一杯だったけど、行って良かった。長時間のトレッキングを無事に終えられて自信が出た。ガイドさんもゴールして「良く頑張りました!」と労ってくれた。達成感。水の宝庫の白谷雲水峡を目にしながら動き回るだけでも気分はいい。自分の自信にも繋がった。短い滞在でしたが精神のメンテナンスはバッチリできました。既にまた行きたいと思っています。

 

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楠川歩道にあった屋久杉の切り株

 

 

 

 

一泊二日の屋久島の旅 二日目 白谷雲水峡

実は屋久島一日目が終わって微妙な心持ちになっていた。閑散期とはいえ、コロナで例年以上に人がいないらしい。確かに寂しさを感じる程に人がいない。翌朝、そのことを宿の人に話したら、「せっかく来たのにねえ…」と言ってたんかんを持たせてくれたりして嬉しかったけど、あまりにも人が少なすぎる。

 

それが、白谷雲水峡に行って屋久島の評価が一転。屋久島の魅力に取り憑かれた。元々トレッキングが大好きなので、次はいつ屋久島に行けるか計画を立てたくてうずうずしている。

 

 

白谷雲水峡のトレッキングコースはいくつかあるので体力に合わせて選べる。

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白谷雲水峡マップ

 

私は午前中は水場の多い奉行杉コースを行って昼食を取り、その後太鼓岩往復コース奉行杉コースはかなりアップダウンが多い。体力に自信のない方は太鼓岩往復コースだけの方がいいかもしれません。太鼓岩コースでも途中引き返している方がいた。登り降りが多い。「白谷雲水峡では岩(花崗岩)は滑らないけど、木は滑ります」というガイドさんの言葉通り、なるべく岩の上を歩いた方がいい。木だけの道が作られている所が一番怖かった。

 

しかも奉行杉コースは川を渡る場面が多いので増水している時は通行できない。私が行った時も、前日の大雨で(鹿児島から屋久島に行く時に着陸できないかもと言われていた原因の雨。目が覚めるほどの大雨だったみたい。)ひょっとしたらコースを変えるかもしれないとガイドさんに言われていた。白谷雲水峡でも遭難者が出たと聞いていたけど、遭難は奉行杉コースで起こったらしい。奉行杉コースは一人だと迷うかも。

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奉行杉コースにある二代大杉(500m)

結局、川もちゃんと渡ることができたのは運が良かった。「奉行杉コースを選ぶ人はあまりいない」と後で言われたけど、確かに奉行杉コースの間は誰ともすれ違わず、文字通りガイドさんと私の貸切状態でした。

 

奉行杉コースから太鼓岩往復コースに合流したら、他の登山者やガイドさんとトレッキングしているグループに会った。昨日からあまりにも人がいないので、やっと人に会えたなという感じになる。太鼓岩往復コースに行くとちらほら人に会うのでちょっと賑やか。賑やかとは言っても関東の山で人に会う程には会わない。

 

ガイドさんと行くと、屋久島の植生のことや見るべきポイントを教えてくれるので面白い。遭難しない目的ではなくてもガイドさんと行くのはおすすめ。

 

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苔むす森

 

屋久島には山が沢山あるので、どのコース、どの山をトレッキングするかでも印象が違うらしい。白谷雲水峡は苔だらけだけど、白谷雲水峡以外を選ぶと植生も違うので苔だらけなわけではない。雰囲気が変わるとのこと。

 

屋久島といえば縄文杉を連想する人もいるかもしれない。縄文杉コースはひたすらトロッコ道(昔、屋久杉を伐採してトロッコで運んだ)を延々と歩いていかないといけないのでかなり大変だそう。朝早くからスタートして歩行時間は10時間以上。ガイドさんが私なら大丈夫だと言ってくださった。体力が必要なので一応60歳までとしているとのこと。でも樹齢1000年以上の屋久杉は白谷雲水峡やヤクスギランドでも見ることができる。縄文杉コースに行かないと見られない訳ではない。

 

屋久島で一番高い山は宮之浦岳で1,936m。九州で一番高い山でもある。屋久島にも色んな山があるので、違うコースにも行ってみたい。また屋久島に行きたくてたまりません。不思議な吸引力があるところ。

 

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屋久島の春を告げるオオゴカヨウオウレン

 

一泊二日の屋久島の旅 一日目

鹿児島から屋久島に向かう飛行機はプロペラ機。プロペラ機は大昔20年以上前にアメリカのローカル線で地方から地方に行く時に乗ったような記憶が…。

屋久島が強風のため着陸できない場合は鹿児島空港に引き返す」という条件付きだったけど問題なく屋久島に到着。8:45発9:25着なのであっという間。下で大雨が降っているだけあって飛行機から見える雲の様子がいつもと違っていてワクワク。因みに機内には6人しか乗っていなかった。こんなに少ないの!?と驚愕。

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島へ行くプロペラ機は雰囲気が違う



 

ガイドさんが空港に迎えに来てくれて、早速一日目の観光スタート。飛行場から屋久島を時計回りに巡った。(下記は行った順)

  • 屋久島のお茶畑
  • 松嶺大橋
  • 猿川ガジュマル
  • トローキの滝
  • 千尋(せんぴろ)の滝
  • 大川(おおこ)の滝
  • 西部林道(世界自然遺産地域で唯一車の走行が可能)
  • 屋久灯台
  • 永田いなか浜海亀産卵地
  • 益救(やく)神社

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屋久島の地図

屋久島Mapはこちらからお借りしました。色々と行ったので、以下はかいつまんで記載。

 

実は屋久島は緑茶の産地。鹿児島は知覧茶があるし、屋久島のお茶畑を横に見ながらドライブ。

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屋久島のお茶畑

松嶺大橋

川までの距離70mの橋の上から葉っぱを飛ばして遊んだ。葉っぱの形や茎が残っているかどうかで飛び方がみんな違うので面白かった。一人だったらもっと葉っぱを取って遊んでいたかも。

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松嶺大橋からの風景

 

猿川ガジュマル

ガジュマルは東京にも小さな鉢があるけど、南のガジュマルの勢いは凄い。植物って家で育てていても植物の伸びる力に家や建物が負けるんじゃないかと思った事が何度もある。このガジュマルの侵食力は良い例。現地で見ると南に来たなと思います。

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猿川ガジュマル

 

大川(おおこ)の滝

日本の滝100選にも選ばれた落差88mの滝。滝の間近まで行けるので迫力が凄い。動画も撮ったけど、水しぶきがすごかった。

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大川の滝

 

西部林道

屋久島は世界自然遺産に登録されているけど、白谷雲水峡などのトレッキングに入れる所は世界遺産の地域ではない。島の西部に世界遺産地域がある。西部林道は世界遺産地域を車で通れる唯一の道。そこにはお猿さんと鹿しかいない。

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世界自然遺産地域の看板

車で走っていたら車の前にヤクシマザルが沢山いた。のんびりしていて逃げない。本州の猿よりも一回りは小さい。因みに屋久島では「猿」と言うのを嫌って「お山の大将」とか「山のあんちゃん」と呼ぶそうです。「サル(去る)」を連想させるかららしい。

動物は北へ行くほど大きくなって南へ行くほど小さいようです。東北や北海道の山には熊が出るから危険もあるけど、屋久島はいたとしてもお猿さんだとかヤクシカ。熊がいないのは安心です。

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ヤクシカ

ヤクシカも本土で見るより一回り小さい。写真は上手く撮れてないけど、後ろから首を回してこちらを見る様子がもののけ姫のシシ神様の動きにすごく似ている。大きさは小さいけど動き方がシシ神様そのものです。

ガイドさんを頼んで良かった

屋久島についての情報をほとんど調べないで訪れたのでガイドさんを頼んだのは本当に良かった。季節と天候を見て良い場所を選んでくれたので、ガイドさんなくしては今回の旅の充実はなかった。バスで巡るとしても時間を合わせるのが大変だし、コロナ禍で一日に三便しか運行していない路線もある。

 

行く前は屋久島の天候を心配したけど、思っていた以上に暖かかった。出発前から屋久島の天気予報を注意して見ていたけど、おそらくiphoneで表示される温度は山の温度。かなり低く表示されている。一日目に屋久島を巡った時は暖かくてフリースを一枚脱いだぐらい。それでも暖かかった。そしたらその日は特別暖かくて19°まで上がっていたらしい。東京では2月13日は4°だったようなので、屋久島の19°は相当暖かい。しかも屋久島は雨が多いと聞いていたのに一日目は雨に降られなかった。最初から雨具も兼ねた上着を着ていたので拍子抜け。

 

それにしても屋久島はどこに行っても人がいなかった。元々1、2月は閑散期なのに加え、コロナ禍で本当に人が少ない。今年もこの調子だと困るとガイドさんがぼやいていました。あまりにも屋久島に人がいないので、旅館のスタッフさんにその話をした。そしたら、せっかく来たのにねえ、と言ってたんかんを持たせてくれた。屋久島でたんかんを買いたいと思って買っていたけど、旅館の方もガイドさんもくださった。嬉しかったです。

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旅館の方がくれた「たんかん」は2Lで大きい



 

一泊二日の屋久島の旅 旅行計画

「どこかにマイル」で鹿児島が当たり、屋久島に行こうと決めた。でも、屋久島は未知の場所。世界自然遺産に登録されていることは知っているけど、身近で行ったことがある人はいない。ジブリ好きなフランス人の友達で行ったことがある人はいる。でも当時は私自身が屋久島に興味を持っていなかった。コロナ前の2019年に立て続けに鍼灸院に来院した外国のお二人から屋久島を推され、初めて屋久島に実際に行ってみたいという気持ちが生まれた。

 

鹿児島からは高速船トッピーで行こうと思っていた。でも鹿児島空港から高速船ターミナルまで1時間かかる。それに加えてコロナ禍のまん延防止でバスの数が減便。鹿児島–屋久島の高速船も1日三便に減便。港から飛行場までタクシーでもいいかと思っていたけど、飛行機で行った方が時間短縮できる。鹿児島から屋久島はJAL便。どうせJALで羽田から行くのだしお金がかかってもいいから鹿児島から屋久島も飛行機で行くことにした。

 

ちなみに、フェリーでのんびり行くのも情緒があって良いらしく、いつの日か行ってみたいなと思う。ただし、東京から行く場合は時間が貴重。時間を気にせずに旅行ができる日は来るのか分からない。東京からだと屋久島は少々行きにくいと思っていた。屋久島は遠すぎると言う人もいる。でも実際に行ってみたら意外と行きやすかった。また行きたい。

 

いつもは土曜の夜は仕事後に「ある集まり」があるけど、まん延防止重点措置が発令されている期間はその活動もお休み。私にとって土曜日の夜がフリーというのは貴重。今回の旅行は土曜日の仕事の後に鹿児島に発ち、鹿児島空港近くの宿に泊まり、翌朝に屋久島に出発する。

 

ガイドさん探し

屋久島でどうするか。屋久島では白谷雲水峡に行ってみたいと思っていた。屋久島に行きたいというのは自然の中を歩きたいから。白谷雲水峡の緑々した中を歩くのは気持ちが良さそう。(実際は足場が悪い所も多くてなかなか大変だった。選ぶコースによる。私は長いコースを選んだ。大変な分、満足感も倍増されて本当に楽しかった!)

1日は白谷雲水峡。では、もう1日はどうするか。屋久島の感覚が掴めないのでとりあえずは白谷雲水峡のガイドさんだけでもガイドさんを頼むことにする。遭難する人もいるので、地の利がない場所では安全第一。

 

ガイドさんも色んなガイドさんがいるので、このサイトを参考にして直感で探した。まずは日程が空いているかを確認。ガイドさんも相性があると書いてあったけど、1週間前で時間もないので最初に連絡したガイドさんにお願いした。

飛行機の旅程をお教えして、二日目に白谷雲水峡に行きたい旨。屋久島に着いた一日目にオススメのコースを聞いた。島をぐるっと回るコースがオススメということなので、一日目はそれを申し込む。

今までひとり旅でガイドさんをお願いしたことはなかったので、貸し切りガイドさんをお願いするのも初めてのこと。今までの旅行は一人で行って現地に知り合いがいるというパターンが多かった。初めてのことが多い。

 

ホテル

ホテルは鹿児島到着の日は空港近くのホテル。空港に着いたら迎えに来てくれて助かった。出発の朝も空港まで送ってくれた。

屋久島のホテルは当初高速船トッピーで行く場合に狙っていた民宿があったので屋久島の宿はそこを予約。宮之浦にあるので一番都会で便利だと思ったから。ただ、元々2月は閑散期なのと、コロナ禍で全く人がいなくて驚いた。

 

旅程

2/12(土) 羽田ー鹿児島 JAL653便 18:05発 20:05着

◆宿泊 鹿児島空港近くのホテル

2/13(日) 鹿児島ー屋久島 JAL3741便 08:45発 09:25着

◆宿泊 屋久島の宮之浦近くの民宿(宮之浦は屋久島では一番都会で高速船の発着もある)

2/14(月)屋久島ー鹿児島 JAL3752便 17:35発 18:10着

鹿児島ー羽田 JAL654便 20:45発 22:15着

 

 

出発の前々日の2/10(木)に東京で雪が降り、翌日は飛行機の欠航が結構あった。土曜日は大丈夫だろうと思っていたけど、実際問題なくて一安心。

 

屋久島に一泊二日で行くことも可能だと書いている人もいて、実際に羽田の鹿児島行き始発06:25に乗って順調に運べば09:25に屋久島着は可能。その代わり羽田に06:25ということは相当早くに家を出発するか、空港近くに前泊する必要がある。屋久島到着後に朝から動き回るorトレッキングをする計画を立てるのは若さと体力が必要。私はある程度の余裕を持って行動する方がいいので、前日の夜に鹿児島に行っておいたのは無理がなくて良かった。

 

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鹿児島から屋久島へ向かうプロペラ機から屋久島が見えた時のワクワク感

 

一泊二日の屋久島の旅 序章

昨年12月に父が亡くなった。自分で思っていた以上の父の存在の大きさ、亡くなった事を受け止める事の難しさ。親を失くすとはこれほどの大打撃をもたらすものとは。

 

四九日も終わり、自分の心に空いた穴はまだ埋まることはない。でも父の思い出を大事に、父の生き様を刻み込もうと思う。もういないのだから残された家族は元気に生きていくのが親孝行。

 

コロナ禍でも旅行に行ってはいけないわけではない。鍼に来る患者さん達も行きましたと言わなくても旅に出ている。リフレッシュしたいと思った。父は、倒れて丁度1ヶ月後に亡くなった。一連の色々で短期間の間にJALに何度も乗った。JALに乗るのに慣れて親しみを感じていた。と同時に前から気になっていた「どこかにマイル」で「どこかに参る」のも悪くない。行ってみようという気になった。

(「どこかにマイル」の詳細は下記リンクをご覧ください。)

 

どこかにマイル - JALマイレージバンク

 

四つの候補地からどこかが当たる。行きたい場所はルーレットのように四つ出てくるので、これだと思ったら応募する。

実際に応募しようと思うとなかなかこれだという四つの候補地が揃わない。上記の理由で今季の青森の大雪を目の当たりにした。寒い地方は欠航も頻繁に出ているようだから北は避けて南ばかり選んだ。北はよく行くので、自分の知らない場所に行きたいという願望もあった。

 

鹿児島 高松 大分 青森

 

青森に当たっても面白いと思ったので青森も入れた。

 

JALから与えられた行き先はなんと鹿児島!

鹿児島が当たるとは思っていなくて、正直なところ驚いた。諸般の都合もあり、申し込んだのは二週間前。鹿児島のどこに行くか、宿泊先などもあるのでのんびりもしていられない。

 

鹿児島の地図を見ていたら屋久島が目に入った。屋久島。行ったことはないが、外国人の患者さんから勧められていた。海外在住の日本人の方が日本に帰ってくると屋久島に行くという人もいる。コロナ前の話だ。勧められた時にちょっと調べていたが、屋久島は冬もおススメという情報を記憶していた。私は日光に弱いのでかえって日照量の少ない時期の方が南に行きやすい。

 

屋久島と思ったら、行くべき方向がカチッとはまったような気がした。

 

旅が終わった飛行機の中でこれを書いている訳だけど、「旅」がもたらすものは素晴らしい。心の養生ができた。見えない何かが整理されている。トレッキングで酷使した身体の痛みが取れるよう、身体の方も養生するとしましょう。

 

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益救神社の巨大なガジュマルと並んだ阿吽の仁王像

 

 

acupuncteur.hatenablog.com

 

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一泊二日の屋久島の旅 終章 も時期アップします。

映画『テレビで会えない芸人』松元ヒロ

ものすごく久しぶりのブログになってしまいました。久しぶりに映画館で映画を見てきて、良かったので書いておきます。

 

『テレビで会えない芸人』松元ヒロ

tv-aenai-geinin.jp

観ながらすぐ、これは面白いなと思った。フランスの風刺エスプリを彷彿とさせる。フランスでは日本の「芸人」のようなタイプの人の方が少なくて、松元ヒロさんのような感じの痛烈風刺のユーモリストが一般的。

 

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風刺を好むフランスなので、テレビでも政治家や社会の風刺を流すのは普通のこと。批判や風刺は珍しくもない。でも、「日本のテレビでは気楽に見るものが好まれる」ので「テレビではやれない」。テレビだけではなく、日常社会でも空気を読んで、その場に当たり障りのないことを言うのが暗黙の了解になっていると思う。

 

日本には人を笑わせる種類の「お笑い芸人」は沢山いて、それはそれでいいと思う。でも、松元ヒロさんのような芸人はテレビに出られないのかもしれない。放送すると物議をかもすようなものはオンエアできないんでしょうね。(日本ではお笑い芸人がテレビで占める割合が大きすぎるのは別問題。と書いたら怒られるでしょうか。でもこれ、日本のマスコミの特徴。)

 

「テレビに出てる芸人を俺はサラリーマン芸人って呼んでるんだ。テレビからクビにならないようなことしか言ってないんだ。他の人が言えないことを代わりに言ってやるヤツが芸人って言ってたんだ。お前を芸人と呼ぶ」 立川談志

 

 

日本はパーフェクトを求められる社会だなと、鍼灸師としていろんな患者さんと接していて思うことがある。こうあるべきという思想の強い人たちがいて、話を聞きながら、「もし私が一緒に働いたら大変なことになりそうだな」と思ったことがある。これが同調圧力というやつなのかなと。日本人はおとなしいと言われているけど、不満をいろんなやり方で抗議する人もいます。

 

テレビで放送して、抗議が来るのを避ける為にできあがったのが今のテレビなんだとしたら、それを作ったのは視聴者ということになる。視聴者というより社会か。コロナで余計に自由にものを言えない空気がある。言わないけど行動はしている人達は沢山いる。言わずに行動する方が眉を顰められずに済む。確かに、そっと行動するのがスマートなコロナ禍ではありますが。

 

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news.yahoo.co.jp

 

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オンラインでハモる合唱 Easy Virtual Choir

実は…(という程でもないのですが)私はある合唱団の団員です。コロナ禍で緊急事態宣言が出ているので、合唱団の練習は停止中。そんな中、面白い試みをしようという提案があってそれにハマっています。

 

動画で自分で声を吹き込むと、同じように歌声を吹き込んだ団員達の歌声が一緒になって合唱になるというお遊び企画です。Easy Virtual Choirというサイトから簡単に録音ができます。動画なので自分の歌っている姿も見ることができます。しかも方法が簡単。オリジナルの音源に合わせて自分のパートを歌いますが、その音源に合わせればみんなのテンポが揃う仕組み。

 

パソコンがないと録音ができないので、ipadしか持っていない団員や、その他の理由で録音を入れてない団員もかなりいます。この前の期限内に録音を入れたもののまとめを作ってくださいました。団員の顔も見えるし、嬉しくて何度も聴いています。

 

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このブログにリンクを貼って歌声を載せたいぐらいですが自粛します(笑)。

 

他の歌も現在進行形でやっています。(曲も増えているので声帯を鍛える為にも良いですね)自分の録音を聴きながら何度も入れ直せるので録音すること自体が練習になりますし、自分の都合の良い時間にできるのも便利。一旦録音したものを削除して再チャレンジも可。ここ最近の楽しみのひとつです。ただし、私はとても気に入っていますが、団員全員がそう思っているわけではないようで、積極的に録音を入れる人は決まっている感じです。

 

アルトのメンバーがなかなか録音を入れないようなので、自分でアルトに挑戦してみました。何気なくやってみた事だったんですが、それが良い勉強になりました。今までソプラノしかやったことがなかったので、アルトはこんなにも難しかったのかとショック。。。主旋律のソプラノの音に釣られてしまいそうになるので、アルトをやるには影響されない「強さ」が要ります。でも、アルトの音が入らないとハモらないのでアルトをやり遂げたい!!音取りを叩き込んで吹き込みました。アルトは我が道を行く強さが必要ですが、慣れると楽しい。アルトも良いなと新しい世界が見えてきました。それにしても、まさか自分がこんなにのめり込むとは。。。

 

歌うだけでも自分の気の廻りが良くなりますし、口を動かす、声帯を使う、呼吸筋を使う、横隔膜を動かす、腹筋を使う…そういう事が体にも良いようで、体調が良いです。この提案が出される前は全く歌っていなかったので、私にとっては良いきっかけでした。「どうせ団員達は歌ってないだろう」という企画者の予想は当たっていた訳です。録音を入れた他の団員の顔が見れるので「あ!あの人が入れてる!」と思ってニヤニヤ。一緒に歌っている気分を味わえるのもコロナ禍で実際に集まる事ができない状況下では嬉しいものです。元々こういう集団録画は存在していたんでしょうが、コロナ禍でなければこれをしようとはならなかったかもしれません。

 

去年フランスでこれと同じ動画形式でもっと大々的に募集してガブリエル.・フォーレの『ラシーヌ雅歌』Le Canique de Jean Racine de Gabriel Fauré を歌ったものがありました。昨年(2020年)フランスが厳しいロックダウン下にあった時にオンラインで音楽祭をやろうという試みがあり、フランスのラジオ局が公募して出来上がった集団録音です。

 

m.youtube.com

 

去年、私たちもこの曲を歌っていました。フランスのラジオ局が公募で合唱を作る時に、各パートのアドバイスYouTubeに上げてくれていたので、とても役に立ちました。

 


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集まって歌を歌う事はしばらくは難しいですが、この録音方式のおかげで毎日楽しんでいます。