ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

映画『テレビで会えない芸人』松元ヒロ

ものすごく久しぶりのブログになってしまいました。久しぶりに映画館で映画を見てきて、良かったので書いておきます。

 

『テレビで会えない芸人』松元ヒロ

tv-aenai-geinin.jp

観ながらすぐ、これは面白いなと思った。フランスの風刺エスプリを彷彿とさせる。フランスでは日本の「芸人」のようなタイプの人の方が少なくて、松元ヒロさんのような感じの痛烈風刺のユーモリストが一般的。

 

f:id:FreresLumiere:20220210151751j:image

 

風刺を好むフランスなので、テレビでも政治家や社会の風刺を流すのは普通のこと。批判や風刺は珍しくもない。でも、「日本のテレビでは気楽に見るものが好まれる」ので「テレビではやれない」。テレビだけではなく、日常社会でも空気を読んで、その場に当たり障りのないことを言うのが暗黙の了解になっていると思う。

 

日本には人を笑わせる種類の「お笑い芸人」は沢山いて、それはそれでいいと思う。でも、松元ヒロさんのような芸人はテレビに出られないのかもしれない。放送すると物議をかもすようなものはオンエアできないんでしょうね。(日本ではお笑い芸人がテレビで占める割合が大きすぎるのは別問題。と書いたら怒られるでしょうか。でもこれ、日本のマスコミの特徴。)

 

「テレビに出てる芸人を俺はサラリーマン芸人って呼んでるんだ。テレビからクビにならないようなことしか言ってないんだ。他の人が言えないことを代わりに言ってやるヤツが芸人って言ってたんだ。お前を芸人と呼ぶ」 立川談志

 

 

日本はパーフェクトを求められる社会だなと、鍼灸師としていろんな患者さんと接していて思うことがある。こうあるべきという思想の強い人たちがいて、話を聞きながら、「もし私が一緒に働いたら大変なことになりそうだな」と思ったことがある。これが同調圧力というやつなのかなと。日本人はおとなしいと言われているけど、不満をいろんなやり方で抗議する人もいます。

 

テレビで放送して、抗議が来るのを避ける為にできあがったのが今のテレビなんだとしたら、それを作ったのは視聴者ということになる。視聴者というより社会か。コロナで余計に自由にものを言えない空気がある。言わないけど行動はしている人達は沢山いる。言わずに行動する方が眉を顰められずに済む。確かに、そっと行動するのがスマートなコロナ禍ではありますが。

 

f:id:FreresLumiere:20220210151810j:image

 

 

news.yahoo.co.jp

 

f:id:FreresLumiere:20220210151833j:image