ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

マルシェが恋しい

フランスにいた頃は当たり前だったけど、フランスのマルシェって実は利用者にも売り手にも究極に便利なシステムだったなぁと思う。

 

先日「食べチョク」を利用して無農薬の熊本の天草産甘夏を注文した。生産者から直接美味しいものが届くのは素晴らしいし、美味しい甘夏で嬉しかった。でも、実際に品物を見て買いたいのが本音。仕事をしていると朝から夜まで家にいないので、宅配便の受け取り時間に気を使う。冷蔵便だと更に難度が上がる。私にとっては届けてもらうよりも、自分で買いに行ってしまう方がストレスフリー。

 

最近、自然栽培や無農薬の野菜を買いたいと思うことが多い。「食べチョク」は日本全国の産地から地元の野菜を送ってもらえるのでとても有難い存在ではある。また注文したいけど選ぶのも大変だなと見ていた時、そう言えばフランスのマルシェってすごかったんだなと思った。私が住んでいたリヨンのアパルトマンのすぐ近くにマルシェの立つ広場があって、生産者の方々が直接売りに来ていた。ビオ野菜専門で売っているお店もあったし、そうではない安売りのお店もあった。自然派ワインを売りに来ていたり、季節の野菜も買えた。曜日によってはノルマンディーのチーズ屋さんが来ていた。野菜、果物、肉類、魚、チーズ、卵、パン、花、オリーブ、鶏の丸焼き、蜂蜜、いろんなお店が来ていた。しかもマルシェの品物は新鮮。

 

フランスはマルシェの場所が決まっている。広場や大通り、空間があると、そこにマルシェが来る。曜日も決まっているから毎週この曜日にあのお店が来るというのが分かる。当時は当たり前だったけど、日本に帰ってきてから考えると相当に有難いシステム。朝早くから開いていてお昼までやっている所が多く、お昼過ぎると撤収。市のゴミ清掃車もやってきて一斉に綺麗にする。移動式なのでいつもそこにいる訳ではない。マルシェの後に清掃車まで来るぐらいだから行政のバックアップもあるんだろう。そこまで制度が確立されているのは羨ましい。

 

マルシェだと自分の目で見て買えるだけではなく、必要な分だけ買えるのも便利。日本では無農薬や自然栽培の野菜を買おうとすると普通のスーパーでは取り扱いがない。ネットで取り寄せる方が早い。それを考えると生産者の方から売りに来てくれるマルシェってすごいこと。生産者側にとってもマルシェには買い手が沢山やって来るので合理的。食べチョクはいいけど、配送準備をしないでマルシェのように直に売りに来れる場所が存在していればもっといいのにな。流通の意味でも近隣の農家さんがやって来る場所があるなら私は買いに行きたい。

 

さすが農業国フランスだと離れてみて有難さを噛みしめる。青空市場だとか、近くにあればいいのになぁ。

 

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Radis 大根類 パリのマルシェ 2018年11月

 

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Poissons 魚屋さん パリのマルシェ 2018年11月


 

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八百屋さん パリのマルシェ 2018年11月

 

本当はリヨンの馴染みのマルシェの写真を載せたかったのに、昔の写真が膨大すぎて欲しい写真に行き着かなかった。上の写真はパリのマルシェの写真です。

 

そう言えばFacebookに一枚写真をアップしていたなと思って、自分のアップしたものをダウンロードしました。下の写真はリヨンのマルシェです。

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花屋さん リヨンのマルシェ 2015年11月