大人のための台湾アニメ「幸福路のチー」: On Happiness Road
良い評判を聞いたので見に行った。確かにすごく良かった。色んな人にオススメしたい。
良かったと言っていた人が高校・大学と海外だった人だったので、そういう人達にとって琴線が触れるような映画なのかなと思ったけど、そういうわけではなかった。
おそらくみんなが心の中で思っていること。子どもの頃の自分と現在の自分。みんな、それぞれ今の自分に到るまで自分の歴史がある。「こんなつもりではなかった」と思わない人はいないと思う。「子どもの頃に思い描いた未来に自分が立っているか?」というメッセージが出ていたけど、みんな子どもの頃に具体的な将来像を持っているのかな?その将来像も歳をとる毎に変わって行くものだと思うし、子どもの頃の将来像の通りになっていなくていいと思う。
「永遠の幸福なんてない」というセリフがあったけど、ずっと幸福な人はいない。
この映画はアニメだからこそできる描写力がとても良かった。子どものイマジネーションがそのまま絵として広がっていくところが楽しい。子どもの自由な想像力の色彩と台湾の歴史も垣間見れてダブルで楽しい。学校では北京語を話さないといけない時代があったことや、台湾地震のこと、1人の実在の台湾女性の半生に基づいているから、色んな面白さがある。
フランスの友人に「この映画が良かったから機会があったら見てみて」とメールしたら、フランスでは去年既に劇場公開していて、友人はもう見ていたらしい。お隣の国台湾の映画が日本よりもフランスで先に劇場公開とは。フランスが映画大国だからか、日本の配給が遅いのか、どちらだろう。両方だ。
観に行って良かったと思った映画。年内いつまで公開しているか分からないけどオススメです。