ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

イライラする理由

鍼灸師になってからイライラする事がなくなったと書いたけど、イライラでふと思い出した事があるのでメモ。

数年前、ある人(X)とお付き合いしていて旅行に行った。長時間のドライブ。某県のレストランで食事をしようという事になった。観光地だし人も多くてレストラン入り口で名前を書かないといけなかった。


Xが名前を書こうとしたら、横から来た人が割り込んで先に名前を書いてしまったらしい。Xはそれが酷いと言う。

私は特に酷いとも思わず、大した反応もしなかった。一組ぐらい待つのは大した事はないと思っていたから。すると、どうやら自分に同情してくれないのが不服だったらしい。そこから不機嫌になった。様子がおかしいのでどうしたのかと思ったら、その事を言われた。


渋滞の長時間運転で疲れていたのもあったらしい。確かに人は疲れが極限にあると許容範囲の閾値が狭くなるかもしれない。


でも、その数日間の旅行中、普段は温厚なXがイライラを爆発させる場面が何度もあった。しかも尋常ではない。今まで知り合った人の中でナンバーワンだった。この人には内から湧き出てくる怒りがあるなと思った。私は身近に非常に怖い人がいて、その人よりも恐ろしい人はいないと長年思っていた。でも、それ以上に恐ろしいXの側面を目の当たりにした。おかげで長年恐ろしく思っていた人へのトラウマの方は消失した(笑)。いまだにあの旅行の「恐怖」は忘れていない。旅行してみると良いというのは本当だった。


面白い後日談など書きたいところだけど、特定されてしまうので万が一の場合を考えて辞めておく。

Xとはお別れしたが、一人の人間の例として非常に勉強になった。



山で修行をしたお坊さんが、修行中に「自分がいかに卑しいかを痛感した」と話していた。極限の空腹や極限の疲労状態でも人に普段と同じように振る舞えるのかと。


鍼灸師になって思うのは、身体に痛みがある人はイライラしているという事。身体に不具合がある人もそう。痛みや不具合の原因が取れると別人のようになる。イライラしている人は理由がある場合もある。心身一如。



イライラは奥が深い。