ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

Gerhard Richter : ゲルハルト・リヒター展 豊田市美術館

東京でリヒター展に行こうと思っていたのに、忙しくしていたらいつの間にか終わってしまっていた。そしたらSNSで「豊田市美術館のリヒター展が良かった」という投稿を見た。

そうか、巡回で名古屋に行っているのか。昔愛知県に住んでいたし、久しぶりに東海地方に行くのもいいな。というわけで、豊田市美術館のリヒター展に行くことにした。

 

リヒターは映画で少し見ていた(『ある画家の数奇な運命』原題 Never Look Away)。でもリヒターをよく知っているわけではない。東京ですぐに行かなかった理由のひとつかもしれない。一呼吸おきたいというか。

 

豊田市美術館に行くのに結構名古屋市内から遠かった。東京から行くとこんなに田舎なの?と思ってしまった。のどか。名古屋が「大いなる田舎」と言われるのが分かる。でもこの長閑さが良い。昔愛知県に住んでいた時とは違う印象を持った。離れているからそう思うのかもしれない。地名も独特な読みをする。地方に行くとそれが面白い。

 

 

公共機関で豊田市美術館に行くには「豊田市駅」か「上挙母(うわごろも)駅」から。名鉄を使って行きたいと思って検索。Google 先生の提案で上挙母駅から美術館へ。名鉄は幼少期に愛知県に住んでいた時に使っていたので懐かしい。

 

「上挙母駅」からだと表示もないのでインターネットがなければ辿り着けなかったかもしれない。そういうのも楽しみのひとつだけど、こんなのどかな感じとは想像していなかった。豊田市駅の方面とは全然違う。豊田市駅の方から来たら印象が違ったと思うから、かえって良かった。

 

リヒター展の館外幕も素敵



どんな感じなのかなと思っていたリヒター展。豊田市美術館のリヒター展を見て、リヒターのアートが至極気に入ってしまった。観てみないとわからない。観てみたらドンピシャだった。

 

「カラーチャート」や「ストリップ」をバックに「8枚のガラス」を写真に撮るとそこにいる人のガラスに写り込む感じ、絵と8枚のガラスのコンビネーションが面白い。鑑賞者もアートのひとつになっていて、自分や人が動く度に変化する様子が動と静をパシャパシャ撮影しているように動くような不思議さ。丁度ボランティアの方の解説で大勢の人が来た時に撮ったのが下の写真。変化する様子が飽きない。物事は移り変わるもので絶対的なものはない。

「カラーチャート」をバックにした「8枚のガラス」

 

「ストリップ」をバックにした「8枚のガラス」

ガラスの前で自分を撮影

 

ビルケナウ


「ビルケナウ」(2014年)のできあがるまでのストーリーが凄い。

 豊田市美術館学芸員・鈴木俊晴さんの解説。

「元々は1944年に強制収容所で撮影された4枚の写真をフォトペインティングと同じ技法で描いていた。でもリヒターはある段階でそれを諦め、絵の具で塗り潰して全く違う抽象絵画として完成させた。『イメージを描くことができない』というネガティブな状態を示すと同時に、その断念を新たな創造へと転ずることでもある。

絵画のビルケナウの反対側にほとんど同じ写真バージョンが展示され、それらがグレイの鏡に写り込むように設置されている。リヒターは鏡に写り込むように展示することが多いようで、同じイメージが反復されることから、歴史的な悲劇が繰り返されうることを示しているという解釈。また、絵画、写真、鏡に映ったイメージという異なるメディアで反復されていることから、何かを描き、表すことが可能なのか。思い起こし、記憶することが可能なのか検証されているのかもしれない。」

 

 

 

アブストラクト・ペインティングも良い!



空間も人の存在もアート

 

 

 

豊田市美術館でのみ展示の2022年のリヒター最新作の作品群も最後に展示されていた。

色が良いです。シャガールの雰囲気を感じさせる温かい色合い。

 

2022制作の最新作

 

リヒター展、東京で観ていたら印象も違ったものしれないけど、とても良かった。豊田市美術館の佇まいと髙橋節郎館も大いに気に入った。

 

髙橋節郎「夢・縄文の星座」1996年

 

谷口吉生建築の空間



 

 

ゴスペラーズとフルオーケストラ Billboard classics The Gospellers Premium Symphonic Concert 2022

名古屋行きが決まり、泊まる日の夜(2022年12月4日)に何かコンサートに行きたい気分になった。探したらゴスペラーズのコンサートがあるではないですか。しかもオーケストラと一緒にやる特別版。

Billboard classics The Gospellers
Premium Symphonic Concert 2022

 

座席を選べないようだし迷ったけど行くことにした。ギリギリに決定。メンバーの酒井さんがコロナ陽性になり、兵庫と福岡のツアーは中止。「愛知公演は行う予定」という段階でチケット購入。

コンサートプログラム

そして、素晴らしく良かったです。行って良かった!

 

席が好みの場所なのも良かった。全席同じ料金だったけど、愛知県芸術劇場はどこも良い条件で見れるように設計されているのかも。
「上から見るのが好き&しかもオケの横上から見るのが好き」なので、自分にとって絶好の場所でした。ギリギリに買ったので遠い席かもしれないと思ってミニ望遠鏡持参で行ったのも良かった。表情がハッキリ見える。指揮の田中祐子さんの振り方もよく見えた。女性だけどダイナミックな振り。田中さんの指揮の仕方は肩甲骨がよく動いていてキビキビしていて良いなと思いました。

私はどちらかというとクラシックのコンサートはよく行くけどポップスのコンサートはあまり行かない。
名古屋に行くことを決めてから巡り会ったこのコンサート。ここのところアカペラ関係の交友も増えているのでこれを選んだとも言える。ゴスペラーズは私がフランスに行く前からよく目にしていたので馴染みがあったし、好きな歌もある。丁度名古屋に泊まる日にこのコンサートがあったとは運が良い。

 

兵庫と福岡が中止になって愛知は開演

 

ゴスペラーズのファンの方々はオーケストラのコンサートは初めての人も多いだろうという配慮があったようで(私は逆だったんですが)、そういう気遣いを多く感じた。指揮者の田中祐子さんのクラシックミニミニ講座で「メンバーを楽器に例えると」というのも楽器単体の音も出しながらで面白い。ゴスペラーズのコンサートが初めての私にとってはメンバーのイメージを持つためにも良かった。

 

メンバーを楽器に喩えた田中祐子クラシック講座での各楽器。

酒井さん クラリネット 
黒沢さん オーボエ 
村上さん バイオリン 
安岡さん トランペット
北山さん チューバ

 

ゴスペラーズはそれぞれの声質が相当違うのに5人揃うとなんだか良い。2人で和音で合わせるということをよくやってるけど、合う声同士があるのかも。

酒井さんの透明感のある伸びやかな声が素晴らしく良い。伸びやかで聴いていて気持ちがいい。(酒井さんのコロナ陽性で兵庫と福岡が中止になっていたから、愛知公演が流れなくて本当に良かった!)それぞれの声の特色があって、私の世代だと、あれ?黒沢さんの声はあの人の声に似ていると思ったり、5人の声の展覧を楽しんだ。5人の個性が曲になると良い感じに幅が広がる。


プログラムも工夫されていた。ムソグルスキー/ラヴェルの「展覧会の絵」を使ってゴスペラーズの曲を入れ込んで「曲を絵に見立てて歌う」っていうのも良いですね。北山さん流石です!ゴスペラーズの熱烈ファンな訳ではなかったので、さらっと曲を聴いて少し予習はしたけど、知らない曲でも良いなと感じさせる。フルオーケストラをバックに歌えるだけのグループの実力があってこそ。知らない曲もあったけどそれでも良いと感じさせるのは凄い。オーケストラも良かったし、田中さんの地元ということもあってか、会場ものっていた。

 

"Happy" Pharrell Williams

"Bridge Over Troubled Water (明日に架ける橋)" Simon & Garfunkel

彼らの持ち歌じゃない曲も凄く良かった。上の2曲、オリジナルよりも良いと思ってしまった。5人の声がバラエティに富んでるから曲に膨らみが出るし、オーケストラまでいたらそりゃあ良くないわけがない。ブラボーでした。



朝4:30起きだったのと、愛知県芸術劇場に到着するまでが忙しくて疲労しきっていたけど、疲労が吹っ飛びました。ゴスペラーズは私より少しお兄さんの5人。今回のコンサートで親しみが増し増し。会場の雰囲気も良いし、良い余韻があります。

 

昔はなかったものが栄にできていた。オアシス21

 

Voyage à Nagoya et Ise 名古屋、伊勢2日間の旅

名古屋、伊勢2日間の旅

2022年12月4日〜5日

 

1日目 名古屋到着

豊田市美術館(特別展ゲルハルト・リヒター)

−ホテルにチェックイン

愛知県芸術劇場大ホール(ゴスペラーズとフルオーケストラのコンサート)

−〆は山本屋本店の味噌煮込みうどん、季節限定の牡蠣入

 

2日目 名古屋から伊勢神宮近鉄

お伊勢さんには小学生の頃に行ったことがあると思うけど、自分で行くのは初めて。

外宮 正宮 豊受大神宮(別宮 多賀宮・土宮・風宮)

猿田彦神社 佐瑠女神社 

内宮 正宮 皇大神宮(別宮 荒祭宮 風日祈宮) 

 

3回に分けて記録の予定。

天気に恵まれて、帰りの新幹線で雨が窓に滴る。傘持ってなかったので伊勢で振られなくてよかった!

コロナ濃厚接触者体験

「濃厚接触者」という「コロナに罹っているかは分からないけど、コロナ陽性の人に濃厚に接触した」という定義に当てはまる状況だったので自宅待機となりました。鍼にいらした方がコロナ陽性だったと連絡があってからの色々。自分用の記録です。

 

  • 6/21(火) 朝の患者さんにお顔の鍼。お顔に鍼をするので患者さんはマスクを取っていた。鍼を打つ時に直接患者さんの顔にも触れているし置鍼中も顔に鍼が刺さっているのでマスクはしていない。今から思えば、体調を聞いた時に「冷房で喉をやられた」と仰っていたけど、それは冷房でやられたのではなくてコロナの症状だったのかもしれない。「赤ちゃんが暑がるから冷房を入れているけど自分は喉を痛めてしまって」と仰っていた。
  • 6/22(水) 朝、昨日のお顔の鍼の患者さんから電話。昨日の午後発熱して病院に行ったらコロナ陽性だったと連絡があった。私は濃厚接触者なので、その日、翌日、翌々日の患者さんを振り替えてもらう。その時点で「陽性が出るまで2日は待った方がいいので金曜日の朝にPCR検査を受けると良い」と言われる。すぐにPCR検査を受けるとその時陰性でも翌日陽性になる可能性ある。職場で体温を測ると36.6〜7近辺。体調の異常もなし。夜、土曜の患者さんにも連絡して振り替えてもらった方がいいかもと連絡が来た。仕事起因でコロナになったのなら給料補償などあるのかと聞く。ついに自分もコロナになるのかもと緊張したせいか(6/22の夜)37.1になったけど、これはたぶんドキドキしてたから。妹と弟との「姉弟ライン」で癒される。陽性になった場合は動けなくなるほど辛くなることもあるようなので、自宅療養サポートの食料品配送についても調べる。その後熱を測ったら36.7。この日の夜は亡くなった父を思い泣いた。泣いたので鼻水は出たけどコロナで鼻水が出たのではない。
  • 6/23(木) 朝の体温は36.6。明日(6/24)は元々自分の持病のためにクリニック予約をしていたけど事情を話してキャンセル。来週の月曜(6/27)に乳癌検診、子宮癌検診の予約をしていたけどこれもキャンセル。職場から今後の対処などメールが来ていた。給料保障は一応はあるらしい。(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金)かかりつけ医ではなくてもPCR検査してくれる新宿区のリストがあったので、電話で問い合わせてみた。症状があるかどうか聞かれ、濃厚接触者だと言ったら「最近またコロナがとても増えてきているので濃厚接触者や症状のない人には医師が往診して検査している」と言われた。値段を聞いて、それについても聞くために職場に電話。医師の往診検査にきてもらってもいいが一度検査しただけではダメと言われる。土曜日、日曜日に抗原検査でマイナスが出れば火曜日から出勤可能だそう。医師に来てもらうメリットは陽性だった場合の薬の処方もしてくれるからと言ったが、同じ話の繰り返しなのでそこで電話は終えた。結局土曜の鍼の患者さん達にも全部連絡を入れることになった。最初の話と違うが国の方針で濃厚接触者の七日間待機を守るという姿勢。今のところ元気なので部屋の片付けを始める。週末に母が神奈川の方のうちに来るので私もそちらに行くことになっていたけど、それもなくなった。

急に時間ができたので、この前東京都現代美術館で観た下記の展覧会の図録を読む。こういう時間ができてよかった。

吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる
YOSIZAKA Takamasa Panorama World: from life-size to the earth

吉阪隆正『パノラみる』YOSHIZAKA Takamasa Panorama World : from life size to the earth

吉阪隆正 一生かかってやりたい仕事

 

  • 6/24(金) 朝の体温 36.3。昨日はいつもはできない様々な事ができて良かった。久しぶりにインドカレーを作ってご満悦だったけど、ビールとか飲まない方がいいんだろうなと思って自粛。濃厚接触者の自粛期間はアルコールは飲まないことにする。「姉弟ライン」が面白くて和む。
  • 6/25(土) 朝の体温を測ろうと思ったら忘れていたので昼の体温。36.1。東京都に申し込んでいた抗原定性検査キットが届いた。今日、明日と検査して陰性なら来週から出勤できる。ちょうど良いタイミングで届いた。結果は陰性。体調に何も変化がないのでそりゃそうだ。コロナ(オミクロン株)になった人が「熱が出る前から重だるかったから(私は)多分違う」と言っていたけどその通り。

 

  • 6/26(日) 朝の体温 36.6 これはいよいよコロナに罹っていない。体調変化なし。検査してみたらやはり陰性。今日から母が神奈川の方のうちに来ることになっていて念のため会わないことに予定変更していた。でも、母も大丈夫と思ったのか会いましょうと言うことで最初の予定通りになった。

6/26(日)の抗原定性検査結果

 

自分なりの対処

  • インドネシアでは薬としても使われているという「発酵バージンココナッツオイル」を舐めて(飲んで)おいた。母乳に含まれるラウリン酸が約50%含まれていて、ラウリン酸が唾液に含まれるリパーゼでモノラウリンに変化してウイルスや菌が自分を守るために覆っている膜を溶解して増殖を阻害する。元々このオイルは皮膚のケアに使っていて抗菌、抗ウイルス、抗酸化力に優れていることは知っていた。コロナ禍になって、コロナの脂質被膜ウイルスに対して効果的という論文を輸入元が送ってくれていたので、それを思い出して今回は濃厚接触と分かって帰宅してすぐにこの「発酵バージンココナッツオイル」を舐めておいた。それが良かったのがどうかはわからない。値段が高いので日常的に舐めてはいられないけど、確かにこのオイルはニキビができそうな時につけると治ってしまうし、炎症や肌荒れにつけても治る。
  • ビタミンCの大量摂取。これは全ての疾病に対して効果あり。
  • 散歩には出るようにした。家でじっとしているとそのせいで体力がなくなるので、人がいない場所を選んで散歩するようにした。それでもいつもより活動量が少ないので、体が鈍っている感じ。動かなすぎで5日目は夜の寝つきが悪かった。動かないことのリスクは大きい。入院で体力なくなったという話はよく聞くけど、そりゃそうだ。

 

元気なのに外出自粛・待機。土曜日の鍼灸の患者さんは人数も多いし、わざわざ遠くから来院する人達もいるので休まないといけないのは不甲斐ないけど仕方がない。火曜日にも関西から来る人達の予約が入っているので、火曜日の予約はどうなっているのかと思いながら、あんまりうるさく聞いてもなと思い職場に行ってからのお楽しみにする。

 

コロナ陽性にならなかったので濃厚接触者止まりに終わった。良かったけど、最初はついに自分もコロナになるのかとドキドキした。コロナになった人から、思ったより辛いから痛み止めを処方してもらった方がいいと言われたし、喉の激痛で痛すぎて吐き気がする程だったと言っていた。買い物にも行けないから今のうちに行っておいた方がいい等言われていた。コロナにならなかったから良かったけど、なっていたら大変だったと思う。最近はニュースは減ってるけど、また感染者数は右上がり。気をつけましょう。

 

マスクと顎と表情筋と外国語

マスク生活が長引いています。「日本人は元々花粉症でマスクをしているから特に気にならない」と言う人もいますが、内心驚きます。本音の統計を取ったらどうなんでしょう。なかなか本音を言えない社会ですからね(笑)。コロナがやってきて、今まで以上に本音が言いにくくなりました。

 

Facebook歯科医師の方が「マスクはいらない、顎関節症が増加している」ということを書いていました。鍼灸院に来る方でもマスク生活が始まってから顎の不具合目の疲れこめかみの痛み耳周りの不快感頭痛などマスクが原因と思われる症状を訴える人が増加しました。マスクのせいと思っていないかもしれませんが、美容面ではほうれい線がひどい老け顔になった顔のたるみが。。。と言う人も多いです。

 

マスクをつけているだけで表情筋の運動量が半分から4分の1になるというニュースを見ましたが、実際にマスクをして仕事をしているときの不快感は甚大です。取った時の口の周りや顔のモッタリした感覚、これがもう2年以上も続いています。外国ではもうマスクなしが当たり前のところも多いのに日本はいつ取れるのでしょうか。フランス人の患者さん(鍼灸治療に来る)何人かに日本ではマスクをしなくていい日は来るのか?と聞かれました。日本人でさえ分かりません。

 

鍼灸師として働いていて、マスク以外にもコロナ禍で増えた訴えはありますが、マスクの不具合はダントツです。マスクを長時間つけていると…

 

  • 呼吸が浅くなる→首肩こり、頭痛に繋がる
  • 熱がこもる→呼吸が上手くできない、熱中症
  • 表情筋を動かさない→首肩こり、疲労感、顔のたるみ、ほうれい線
  • マスクの中の湿度が上がる→お肌に良いと思われがちですが、かえって乾燥します
  • アゴ、顔の筋肉が固定される→普段よりも会話量が少なくなる→顎関節症
  • 顔の筋肉が緊張→顔だけでなく体全体に影響が出る

 

上に書いた以外にもまだまだあります。鬱病も関係があるとマスコミで取り上げられていたと思います。

 

マスクをしていると表情筋が動かしにくいので、外国語圏の人達の方がマスク弊害は多いと思います。外国語の方は口、舌をよく使いますし、腹筋を使わないといけないようなこともあります。うちの鍼灸院にはフランス人の方が結構来院されますが、コロナ禍でも日本在住のフランス人がたくさん来ていました。みなさん律儀にマスクをしています。ただ、私の方がマスクのせいで不快感が増しました。フランス語を話す時は日本語以上に口を動かすからです。日本語を話すよりもマスクが口に付くのがストレスになりました。フランス語を話せるのは最高のリフレッシュですが、マスクをしていること自体が話しにくさに繋がります。

 

マスクを取れない職業なので、実は私自身が顎の具合がおかしくなりました。ところが最近また良くなったのです。なぜでしょう。そう、歌をよく歌うようになったからです。しかも英語の歌。口をよく動かします。歌を歌うだけで呼吸も使いますが、英語の歌の方が口をよく動かすので顎や顔の筋肉のリハビリになったようです。マスクの弊害で顎がおかしくなっているのだなと分かっていたのですが、最近の「歌活」のおかげで勝手に顎の状態がよくなってくれました。歌のおかげで良いことだらけです。

 

最近は顎関節治療でも顎の筋肉をガシガシ動かす治療にシフトしているそうですが、動かさなすぎの弊害は顎だけではありません。廃用症候群という言葉があります。過度に安静にしていたり、活動性が減ったことによって体に起こる様々な状態のことです。コロナになって、在宅ワークになり、マスクをつけて仕事をし、極端な言い方をすれば、みんな廃用性症候群的な症状になっています。

 

参考までに廃用症候群について 廃用症候群 | 健康長寿ネット

 

在宅勤務が続いていて出社が始まったという人は体力がなくなっているのを実感したと言いますし、いろんな方のお話を聞いていると、人間は動く動物なんだなと思います。動きすぎもダメですが、動かなすぎも全然ダメだなと皆さんを見て思います。



ヒューマン・アナトミー・アトラス2021 Visible Bodyの画像に色を入れて加工しています

 

 

初の声楽レッスンとアカペラセッション

この前アカペラ合唱が楽しかった事を書きました。楽しいことは楽しいんですが、自分の仕事や歌以外の色々な事と照らし合わせてみて、今加わると自分に負担になるかもしれないと思い直し、すぐに入るのは辞めました。時間が許すようになって参加できればいいなと思います。

 

アカペラとは別に、この間人生初の声楽レッスンを受けました。現在休団中のF合唱団のボイストレーナーのC先生が個人レッスンも行なっているということは前々から知ってはいました。やりたいなと思いつつ、去年は父が急逝したり、なにかとバタバタしていました。

 

今ならちょうど始め時だと思ったので初レッスンをお願いしました。場所も気持ちが良いところにあるので行くだけでも気持ちが良い。場所は大事です。声楽をやる人は皆がやると思われる「コンコーネ50番」。これを今度から毎回やります。コンコーネという名前は聞いたことがありましたが、コンコーネのメロディも素敵ですね。

自分が歌ってみたい曲の楽譜も用意してくださっていて、それも歌いました。先生のアドバイスで急に声が響くようになったり、レッスンの後で自宅で歌ってみたら明らかに声がとても出やすくなっていた。プロの歌手は鍛えているからああいう声が出るということなので、私も変わってくるのかどうか楽しみです。

 

歌は呼吸法がすべて。声楽はフィジカルなので訓練、つまり練習は必要です。ただし、練習で良くも悪くもなるということが分かりました。丹田に力を入れすぎても肺や横隔膜が緊張してしまうし、上手く声を響かせる身体を作ること。それができて初めて表現もできてくる。面白い世界です。身体だけではなくて心の健康にも繋がると思う。

 

どうやら私の声は外国語を長期的に話す過程でちょっと変わってきたようです。「地声は低いからアルトじゃないか」と少し前にある人から言われましたが、地声と歌声は違うようで、日本人の体格だと大抵はソプラノのようです。先生に地声の事を指摘されましたが、そういえば昔は地声はもっと高い声でした。フランスに行く前の頃と今とだと声が変化している事は自分でも気付いていました。フランス語で喉を使って話したり母音の音やセンテンスの長さで声調が変化してきたのかもしれません。先生とのお話で気付いた事が沢山あってとても面白かった。自分の声や歌と向き合ってみようと思います。

 

声楽をやる事でフランス語にも良い影響が出そう。フランス語を話すのとフランス語で歌うのとはまったく違う事です。フランス語は日本語のようにぶつぶつ切って話さない。フランス人や外国人の友人が話してるのを聞いていると、発声が日本人と違うのを感じます。でもそれは私たちもそういう呼吸の訓練をするといいということですよね。

 

 

そして、アカペラの初セッションをやりました。セッションというよりも初練習です。ひょんな事で4人でアカペラを歌おうということになり、初めてスタジオを借りて練習しました。私がソプラノで、もう一人も本当はソプラノだけど今回はアルト。テナーとベースは既に経験豊富で日常的にアカペラセッションをしていてコンサートもやっている大先輩のお二人。

 

今回はSeasons of Loveを練習しました。アカペラは原曲があってもアカペラ用にアレンジした楽譜がないといけません。これはベースのA先輩が過去にやったものを用意してくれました。著作権があるのでモザイクをかけています。

Seasons of Loveのアカペラ用にアレンジされた楽譜

各パートそれぞれがなかなか難しく、でも楽しかったです。偶然から生まれたグループですが、来月も集まって練習することになりました。次回はYesterdayもやるようです。The Beatles のあのYesterday ですがアカペラ用に編曲されたものなので、1人で歌うのとは違います。なんだか面白い世界です。アカペラは初めてでしたが、楽しくて生活の質まで向上します。

 

 

そういえば、前回のブログでDo Do Do Do Dwa 〜 と歌うのが楽しいようなこと書いてましたが、Do Do Do Do にはおかげさまで慣れました。

A capella アカペラ・なんだか面白い世界

なんと、屋久島に行ったことを書いて以来ブログのアップをしておりませんでした。

ツイッターやインスタにメモのように書いているとブログはおろそかになってしまう。でも本当はブログの方が文字制限もないし、メモのようにした方がいいのはブログの方か。

 

この前、初めてアカペラ合唱団のセッションというか定例練習会に参加した。現在は休団中のF合唱団でとてもお世話になっているA先輩が行っているアカペラの会。A先輩がとても楽しそうに歌っているのは知っていた。こんなところもあるぞと紹介(?)してくれた。F合唱団に入ったのも人生初だったので、アカペラ合唱団はもちろん初めて。

 

歌っている曲がJazzや英語ポップスで面白そうなので前から興味があった。英語の歌は楽しい。日本語も勿論楽しいけど、英語の歌も歌いたい。(もともと合唱を始めたのもフランス語でシャンソンを歌いたいという事からスタートした。)ただ、そこの人達は初見ですぐに歌えてしまうようなレベルの方達なので、私が行ったら場違いなのでは?と思って気おくれしていた。

 

行ってみたら楽しかった。確かに初見でいきなり歌うので間違えたり音を取れてなかったりというのはある。でもこんな世界を垣間見れたことの方が嬉しい。一人で間違えていたので内心「キャー」だけど、皆さんクール。指摘するわけでもなく、直すわけでもない。嫌な顔もしない。ある意味、放っておかれる。クールな大人の集まりという感じだった。F合唱団が高校の部活の延長線のような雰囲気だとすると、今回のアカペラの方々はもうすでに色々とやってきた人達がもっと面白い事がしたくて集まっている感じ。F合唱団は英語の歌は苦手という人もいるけど、こちらのアカペラ団は英語への抵抗感はない人達。というか英語の歌ばかり。

 

Do-choo-ba  do choo-ba  do-choo-ba doo-by do

do choo-ba do choo-ba  do doo - wa...

なんて歌うんだけど、「ドゥウワー」が楽しい!合唱の歌い方と違うんだけど、ハモリ方がjazzy。

人生楽しいなぁ〜と思いました。マスク付けて歌ってるのでマスクがなければ尚いいけど、仕方がない。英語だと日本語よりも口をよく動かすからそれも楽しい。サマータイムの楽譜です。

 

Summertime の楽譜。著作権があるのでぼかしを入れています。


アカペラは伴奏がなくて声だけだけど、声だけであんなに膨らみのある仕上がりになるのは面白い。なんだか世界がどんどん広がっています。今まで人生でやったことはないけど、やりたかったんだろうな、というものが急に突進してきている感じがします。A先輩に感謝。

 

楽しいので生活にハリが出ています。睡眠時間が少なくなりがちなのが良くない所かな。でも、人生短いからやりたいことやらないとという視点では、睡眠時間ぐらい別に良いよと思ってしまう。意外と平気なような感じもするけど、誤魔化しは効かない年齢です。

 

というわけで、趣味の世界がとても楽しい。歌はフィジカルなので体力がいる。趣味といっても仕事と関係なさそうで関係しているかも。声を出す体を作ることが第一歩です。フランス語の楽譜があればそれも歌えると言われたので、フランスに行って楽譜を見に行きたいところです。それはまだちょっと先でしょうね。