ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

足のケア体験

鍼灸師という職業柄、人の足を見る機会が多い。色んな年代、性別の爪や足の甲、足裏を見る機会がある。足首周りや足指周辺に鍼を刺さない日はないかもしれない。顎や腰、首など離れた場所の治療のためにも足を使う。

 

爪もいろいろ。爪が肥厚したり爪の色が変わってしまっている人。爪が一つだけ黒い人。巻き爪、陥入爪。爪が割れている。足の爪がばち指のようになっている人もいる。常に綺麗にネイルを塗っている人もいる。外反母趾も多い。「巻き爪の矯正をしてもらったら割れてしまったんですよ!」と爪関連の話題を話す人もいる。中にはちゃんと医療機関に行った方が良いのでは…という人もいる。本人も分かっているけど忙しくてなかなか行く時間が無いらしい。足指は力がかかるから移動に影響する。爪の健康も大事。

 

靴下を脱いでくださいとお願いはしてないので、男性は靴下を脱がない人も多い。水虫に悩んでいる人もいるのかもしれない。でも、足の甲や指、足首周りは鍼灸ではよく使う場所。

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仏語版鍼灸書の胆経の足の部分

 

足裏も踵が綺麗な人もいれば、ひび割れが酷い人、足裏の硬くなる場所も様々。ヒールやサンダルで水膨れや豆を作って絆創膏を貼ってる人もいる。ちなみに、足裏はお灸をよくする場所。

 

足は歩き方や体の癖が出る。最近は足の筋力の弱い人が多い。運動不足の現代人は元々そういう人が多いけど、コロナで在宅勤務が増えて余計に筋力が弱っている印象。

 

先日、初めてフットケアサロンに行ってみた。ネイルサロンではなく足のケアの方。

私は足にタコや魚の目がある訳ではなかったけど、フットケアには興味がある。どういう感じなんだろうと思っていたので、思ったが吉日、休みの日に予約をした。ドイツ式フットケアサロン。私は手にネイルをしない分、たまに足の爪にネイルを塗る。甘皮をプロに処理してもらうとどんな感じなのかに興味があった。

 

行ってみた率直な感想は「すごい変化は感じない」というものだった。そもそも、自分で足のケアをしている時にサロンに行ってみようと思ったのが悪かったかもしれない。何もしないで行けばよかった(笑)。

 

私は鍼灸師になってからヒール靴を履かなくなったので、足のトラブルはあまりない。ヒールを履いていた頃は合わない靴だと水膨れになっていた。ここ数年は足の指を踏みしめて歩く事ができる靴ばかり履いているので、もうヒール生活には戻れない。足をかっこよく長く見せることより、しっかり歩ける事を重視している。5本指シューズの事を知ってからは、今でもたまに履く。指で大地を掴む感じが心地良い。足の指を使うからそ脛の筋肉も使う。体の上の方まで影響する。

 

踵のガサガサに関しては「削るよりも保湿の方が大事だ」とやってくれた方が言っていた。私もそう思うので普段から踵はケアするようにしている。鍼灸院に来ている方で踵がガサガサでヒビ割れが凄い方がいる。仕事が忙しくて睡眠時間も短い人。私がケアしてあげたいぐらいに酷い。失礼にあたるのでそんな事は絶対に言えないんだけど、ご本人も気にしていると言っていたので、そういう人こそフットケアサロンに行ってみて欲しいと思う。でも、自分で保湿ケアをするだけでも大分変わると思う。

 

踵の保湿はクリームを塗った後にラップで包んでおくのが一番効果があると医師が言っていた。昔、クラスメートにそれを教えたら効果があったらしく、喜んで報告してくれた人がいた。ラップで包むと成分が浸透するので、ただ塗るだけとは全然違う。踵のガサガサが酷い人は、クリームやオイルを塗った後のラップがオススメです。

 

フットケアと言っても、足底アーチを見てくれる所や外反母趾専門の医療機関もある。足先もそうだけど、足首や膝を悪くして歩くのに不自由したり、骨折して腰や背中まで痛める人は多い。足先を怪我してもバランスが悪くなって他の所に痛みが出る。外反母趾が酷くて背中も痛いんです、という人は多い。

 

足は移動手段なので上肢の不具合よりも体への影響が大きい。しかも体の中でも体重を支えて頑張っている部位。フットケアサロンに行かなくても、自分で足の指を回したり、足の指を動かすのも血流促進におすすめ。足先だけではなく下腿の筋力を付けると体の動かしやすさが変わる。腰痛予防にもなるし、体が安定するので生活がとても楽になります。