ミズオノオト - Cahier de Mizuho -

2002年に渡仏し7年後にフランスから日本へ逆留学。フランスに行かなければ鍼灸師にはならなかった日本人のブログ。

某有名サロンに潜入捜査

施術者としての自分の勉強のためと、個人的な好奇心で某有名サロンをお客の立場で体験してみた。コロナの緊急事態宣言もあったので2年以上かけてプランを消化。

 

今まで高級サロンに行きたいという気持ちになったことはなかった。正直な所、あまり興味もなかった(笑)。でも、きっかけがあったので今まで体験したことのない事をしてみるのも面白いかも、という気持ちになった。なんでも経験してみないことには分からない。

 

結果として、行ってみて良かった。

 
5人の方の施術を体験できた。この人が一番好きだなという人がいたけど、その人は経験が一番浅い人。因みに、技術は全員すばらしい。一定レベルにならないと現場に出られないらしい。そこのサロンは全員がやり方を統一している。
 
最初担当してくれたのが20年ぐらいのベテランの方。ベテラン感は漂っている。でも、なぜかしっくりこない。嫌ではないけどまたこの人が良いなと思えない。サロンでは、その人は長くやってる大ベテランという扱いなので、その人なら間違いないという感じ。後から考えると、そこのお店の全体的な雰囲気が私に合っていなかったんだなと思う。私が求める「場」ではなかった。
 
ベテランだからそれなりの年齢の方でもあった。私自身も施術を提供する立場だし、施術を受ける立場で感じる事はある。私にとっては潜入調査のようなものだから余計に観察してしまう。普通はそんな事を考えながら施術は受けないんだろうから「この人疲れてそうだな」とか思いながらベッドに横たわっていないかもしれない。
 
施術者は経験豊富だから良い訳ではないと思った。技術は大事だけど、私にとってはその人が持っている天性の何かが合う人が良かった。誰かと話していてこの人とは合わないという人がいるけど、その手の種類の相性。みんな技術はレベルが高いからこそ、余計に技術以外の要素が目立つ。短時間で終わる施術なら良いけど、一定時間同じ空間にいるのなら、目に見えない相性とか施術者のオーラは大事。それが双方がお互いに感じているか、一方的かは別問題だけど、受ける側が違和感があると居心地は良くない。
 
 
サロン自体の雰囲気も重要。私にとってはそちらの方がポイント加算が高いかもしれない。最初に行った所はサロン自体の雰囲気が好きではなかった。数回行って「なぜか行きたいという気持ちにならない」。なんでだろうと考えた。提供されるサービスは最高なんだけど、あの「場」の雰囲気が嫌だからだと思った。すでに長期プランに入ってしまっていて途中でやめる事はできない。同じ系列の別の場所に変えてみた。そういう事をするのも失礼かとも思うぐらいの有名サロンだけど、私には合わないんだから仕方がない。安くはないお金を払っているのだし。
 
でも、それが良かった。別のお店に行ってみたら、そこの雰囲気はとても良かった。落ち着いている。行きたいと思う。「場の持つオーラ」というかお店の雰囲気も行く方には大事な要素だと思う。
 
そういう事を考えると、今自分が勤務しているところはどうなのか?
ただ、自分が経営している訳ではないし、存在意義というかコンセプトも違う。
うちは「サロン」ではない。治療を目的としている施設なら私の勤務先のような感じでも良いかもしれない。自分で開業するならこんな風にしたいなぁというのはあるけど。
 
 
 
あんまり書くとそれがどこなのか分かってしまうのでぼやかして書いてるけど、高級サロンに行くのはどういうことかが分かった。ベーシックなコースしか受けていないので、他のプランを体験するとまた未知の経験ができるのだろう。体に及ぼす影響にも興味がある。でも、金額もなかなか華やかなので気軽に行ける訳でもない。
 
 
ただ、この人にはまた会いたいと思う施術者の方に出会えたので、またあそこに行くと思う。そういう人に会えたのは本当に良かった。